« May 2005 | Main | July 2005 »

2005.06.29

辻志朗著『ON BOOKS 21 誰でもぜったい楽譜が読める!』

誰でもぜったい楽譜が読める! ひきつづき、「ON BOOKS 21」シリーズの1冊を紹介します。
 合唱の世界では知らない者はいない大御所、故・辻正行先生のご子息で、ご自身も合唱指揮・ピアノなどで全国を股にかけて大活躍されている辻志朗さんのはじめての著書。楽譜が読めなくても《第九》を歌っちゃうようなツワモノがたくさんいるわが国ですが、「楽譜が読めるようになれば、趣味の世界がもっと豊かになりますよ」というひとつの提案です。
 方言のイントネーションを使って音の高さを認識しやすくするとか、「そうめん嫌い」とか「観光旅行」などの言葉を使ってリズムを感得させるなど、辻さんが日々の現場でつちかった「楽譜が読めるようになるための秘法」が紹介されていて、まさに「目からウロコ」もんの本です。[genki]

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.06.28

小野幸恵著『ON BOOKS 21 幸四郎と観る歌舞伎』

幸四郎と観る歌舞伎 刊行から1カ月以上経ってしまいました。遅ればせながらご紹介!
 この3月から刊行が始まった「ON BOOKS 21」シリーズの1冊。著者の小野幸恵さんは、松本幸四郎さんの『ギャルソンになった王様』(廣済堂)をはじめ、古典芸能系の書籍のライター&編集者として活躍中のひと。幸四郎さんの信頼厚く、今回著者として、そして幸四郎さんの取材・構成者として、八面六臂の活躍をしてくださいました。ぼくも小野さんに歌舞伎や文楽の手ほどきをしてもらいました。
 全書判240頁のコンパクトな本ですが、中身はぎっしり! 安くて(税込924円!)お手軽な歌舞伎入門書としてはもちろん、通にとっても意外な蘊蓄があったり、それに演じ手である幸四郎さんならではの目からウロコの視点があったりと、いろんな読み方ができます。[genki]

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.06.27

皇后陛下と遍歴の騎士:2005/06/21、27・松本幸四郎『ラ・マンチャの男』@帝国劇場

 ミュージカル『ラ・マンチャの男』は、ぼくが大学のグリークラブで歌っていたころ、ちょうど故・福永陽一郎先生編曲の男声合唱版が大流行していて、《見果てぬ夢》も《ドルシネア》もそこで覚えた。本家ミュージカル版は今回がはじめて。やっぱりよかった!
 6/21は皇后陛下が来場されるとあって、パフォーマンスとしては固い部分があったかも。でも、独特の高揚感があって、毎回やるわけではないというアンコールも聴けたし(《見果てぬ夢》を英語で!)、最後に幸四郎さんが剣を捧げるように挨拶したのも、客席に向けてというよりも、2階席最前列の陛下にたいしての最敬礼に思われて、この騎士物語にはたいへんふさわしい幕切れだった。
 6/27はうって変わって、ひじょうに力の抜けた練れた芝居だった。こうして同じ芝居を同じ公演中に二度も観にいくのははじめてだが、まさに舞台は水物、というのが実感。
 公演パンフレットに幸四郎さん自身が書いておられることだが、「弁慶を勤めるようにドン・キホーテを勤める」という意識がなんとなくわかる気がした。
 今公演の千秋楽は幸四郎ミュージカルの2000回めの舞台となり、『ラ・マンチャの男』も1086回に達するという。何回も何回も同じ芝居、同じ役柄を演じ、それを自分自身に、みずからの人生に染み込ませてゆくことをもって、歌舞伎の世界では「勤める」と表現するそうだが、その醍醐味を今回見せてもらった気がした。[genki]

| | Comments (0) | TrackBack (2)

2005.06.23

音響のコラージュ:2005/06/23・アンサンブルCOmeT@津田ホール

 フォーレ《ペレアスとメリザンド》組曲、ラヴェル・ピアノ協奏曲、それにベリオは民謡編曲の《フォークソングズ》と、いつになく敷居の低いCOmeTの演奏会。でも、いちばんよかったのは、最終曲でいちばん「ゲンダイオンガク」っぽいカーゲル《オルケストリオン・ストラータ》だった。
 舞台に真横を向くように配置されたオーケストラ。指揮者は右端に。最初はその意図がわからなかったが、そのうちに「これは聴くための音楽ではなく、聞こえてくる音響なのだ」と気づいて納得。オケはぼくらのほうを向いてちゃいけないわけ。
 作曲家は街頭で演奏するストリート・パフォーマーを念頭において作曲したらしいが、東京でいえばさしずめ「代々木公園の一日」といった感じ。路上で演奏するバンドや公園で練習するサックス吹き、物売りの音楽、車のクラクションといった雑然とした音響がみごとにコラージュされている。それを緻密に描き出した小鍛冶邦隆さんとCOmeTに拍手。
 楽器の材質までイメージできそうな具体的な音色で奏でたフォーレもよかった。[genki]

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« May 2005 | Main | July 2005 »