イタリア・オペラ史
◇水谷彰良[著]
四六判・並製/320頁/装丁:久保和正
定価2,625円(本体2,500円+税)/ISBN4-276-11040-8
2006年7月 音楽之友社刊
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古代ギリシャの悲劇、中世の世俗劇・宗教劇などの「前史」から説きおこし、400年前にイタリアで誕生したオペラが、しだいにヨーロッパ全土を征服し、 19世紀には新興のドイツ・オペラと拮抗しながらも、ヴェルディやヴェリズモの作曲家たち、そしてプッチーニらによって、今日をささえる傑作レパートリーのかずかずが生み出され、さらに現代においても、衰えることなく新風を巻き起こしつづけている様子を描く。作曲家と作品についてだけではなく、ベル・カントなどの歌唱様式について、各時代の名指揮者・名歌手について、劇場や上演システムについて、楽譜についてなど、イタリア・オペラの全体像をあますところなく描き出している。前著『サリエーリ』によって第27回マルコ・ポーロ賞を受賞した水谷氏が、その学識を注ぎこみ、簡にして要をえた記述により、イタリア・オペラの全歴史を1冊にまとめあげた画期的な書である。
以上、またまた「音楽之友社OnLine」からの引用です(文責はいずれにせよわたくし)。
著者の水谷さんとは企画段階から、ひじょうにオーソドックスな記述による「理想的な教科書」を、と話しあいながら、作業をすすめました。しかしその結果、帯にも惹句としてつかった言葉ですが、「世界でも類例のない通史」ができあがりました。くらべるとすれば、残念ながらいまは絶版ですが、グラウトの『オペラ史(上・下)』が近いのではないか、と思います。
日本におけるオペラの学術的研究は、まだ緒に就いたばかりです。この本はこれから長く、ひとつの「スタンダード」として読みつがれるのではないかと期待しています。[genki]
▼水谷彰良さんの本
▼ドナルド・ジェイ・グラウト『オペラ史(上・下)』
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コメント
『レコード芸術』2006年9月号にて、紹介していただきました。
投稿: ■書評など | 2006/08/22 19:02
『週刊新潮』2006年9月21日号にて、紹介していただきました。
投稿: ■書評など | 2006/10/03 14:11
『音楽之友』2006年10月号にて、今谷和徳さんが書評してくださいました。
投稿: ■書評など | 2006/10/03 16:25