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2006/11/22

小鍛冶邦隆の「Carte blanche」001|「競楽VII」本選近づく!

◆第7回現代音楽演奏コンクール「競楽Ⅶ」(第16回朝日現代音楽賞)
 第1次予選:2006年11月13日(月)・14日(火)10:30〜
 第2次予選:2006年11月19日(日)11:00〜
 けやきホール(代々木上原・古賀政男音楽博物館内)

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 去る11/13、14、19、「競楽VII」の第1次、第2次予選が終了した。「競楽」は現代音楽演奏コンクールとして日本で唯一のもので、朝日現代音楽賞としては、演奏コンクールの開催と優れた現代音楽演奏家の表彰が交互におこなわれている。

 1〜10人以内の編成で1945年以降に作曲された音楽作品であれば、楽器編成などなんらの制限ももうけない“無差別級コンクール”として知られるこの「競楽」からは、これまでに木ノ脇道元(Fl)、大井浩明(Pf)、黒田亜樹(Pf)、溝入敬三(Cb)らのユニークな演奏家を輩出している。今回も本選に小学6年生の女の子がブーレーズと八村義夫のピアノ曲で挑むなど、参加者の多彩さも特色のひとつだ。

 今回、予選を聴いたかぎりでは、木村かをり、小泉浩、篠崎史子、吉原すみれ、甲斐史子ら審査員諸氏の厳しいプロフェッショナルな視点から、現代音楽演奏としての特色(これも重要ではあるが)以前に、演奏家としての基本的な技術的水準が問われたといえる。

 実行委員としての私の立場からは、個々の演奏についてのコメントは避けるが、従来の現代音楽演奏にしばしばみられた、個人的な興味やセンスに安易に頼った不完全で恣意的な演奏から、古典の演奏同様、楽器演奏の習熟と解釈の厳密さが要求されるようになったように思える。むしろ、こうした古典的なアプローチが通用するところに、さらなる現代音楽演奏の広がりが感じられるし、逆説的にいうならば、そのアプローチの限界を超えた作曲家の要求にこたえる新たな才能が出現する可能性もまた予見できるのではなかろうか。

 ともあれ「競楽」をつうじて、ぜひとも聴衆のみなさんに、現代音楽演奏の最前線を体験していただきたいと思う。

 なお、今回予選に出場した計65名の参加者のなかから、9名が本選に残った。本選コンクールは12月3日(日)14:00より、けやきホールにておこなわれる。[小鍛冶邦隆(作曲家)]

◎日本現代音楽協会ホームページ www.jscm.net

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コメント

排出、いや違った、輩出されてしまった閘門大師と申します・・。
小6の女の子(!)ってのも凄いですけれども、中高生に「まなざし」弾かせて作品延命を図る、というのがメシアン・コンクールの端緒だった筈なので、低年齢化は歓迎すべきことでしょう。7歳の天才オンド・マルトノ少女による《トゥランガリラ》とか、全然可能だと思うんですが。

投稿: 閘門大師 | 2006/11/24 07:49

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