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2006/11/02

女子大で講義なぞを(2006/11/02)

 フェリス女学院大学秋岡陽先生に誘っていただいて、「音楽ジャーナリズム」という授業のゲストとして、講義をしてきました。2003年の6月にやはり秋岡さんのお誘いで、「音楽ジャーナリズム:現状と将来」というタイトルで講義をして以来。あれから3年しかたってないけど、もう受講生はすべて入れ替わっているのだろうなあ、と感慨にふけってしまいます。

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 お題は「コンテンツビジネスとしての音楽出版社とゲートキーパーとしての編集者」──ということを、緑園都市に着いて、すかいらーくで食事をしながら、秋岡先生から告げられる。あれ? 話がちがうよ〜。「木村さんは学生の質問に答えてくださればいいですから」っていわれたので、「ほんとうに何も準備しなくていいんですね?」と念をおしてから引き受けたのに……。「コンテンツビジネス」? 「ゲートキーパー」??──うーむ、どないしよう。

 お返しに「大学における音楽教育の現状と展望」について、アポなしインタビューをぶつけたのち、教室へ。(この秋岡さんへのインタビューは、場所をあらためて発表する予定。さすが、フェリス改革の旗振り役らしく、希望あふれる勇ましい話が聞けました)

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 のっけから「コンテンツビジネスっていっても、出版社は自分ではコンテンツをもってはいないんですよね」と、秋岡さんの前振りを蹴散らして(ごめんなさい!)、勝手な話へともっていってしまいました。

 自分がある音楽を好きになったり、演奏したり、作曲してみたり──という「自分仕様の音楽とのかかわり方」をみつけ、確立する段階を「customize」、それを他のひとに紹介したり、提案する段階──とうぜん喜んでもらいたい、受け入れてもらいたいという気持ちから、相手のパーソナリティにあわせた提示の仕方を考えるわけです──を「edit」と位置づけてみました。これなら、みんな無意識にやっていることだよね、と軽く振ってみましたが、みなさん、とっても真剣な表情で、一生懸命ノートをとってくださってます(どうも、この講義を「取材」して、新聞記事ふうにまとめる、という「課題」がだされているらしい)。これはテキトーではアカンぞ、と、心をいれかえるワタシ。

 「edit」の次の段階として、自分のなかで、あるいは仲間うちで「これいいよ」ともりあがった価値あるものを、不特定多数にむけて、普遍的なものとして公にする「publish」という段階がくる──というところまで、講義調で話し、あとは質疑応答に変えてしまいました。

 みなさん、とってもシャイなのか、あんまり質問がでないので、秋岡さんがいくつか質問してくださいました。「customizeというのは、自分を知り、自分にとっての音楽の意味を問うことだとすると、その部分は教えらえるものではない、ということですか?」──なるほど、そうですよね。「特定の相手(たとえば教師)から教えてもらうこと、不特定多数にむけて書かれた本などから学ぶことがあって、自分自身との対話もより深まるのではないでしょうか?」ととっさに答えましたが、この視点をえたことが、ぼくにとっての今日の収穫。さすが元・名編集者。秋岡さんの「質問力」に感服です。

 学生さんからは、「編集者として仕事をするなかで楽しいと感じること、難しいと感じることは?」とか、「入社してから仕事に慣れるまでに苦労したか?」といった「社会人」への質問がほとんど。昨年新設された「音楽芸術学科」(どうしてこのネーミングになったか、秋岡さんに聞いてみたい!)の学生が中心とのことで、つまり受講生は2年生まで。彼女たちにとっては「編集者」っていっても、「よくいるオトナのひとり」にすぎないでしょう。自分たちとの違いといえば「学生か社会人か」ということがいちばん大きいわけで、こうした質問もむべなるかな。それにしては、抽象的・観念的な話をしすぎたかな、と少し反省。

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 終わったあと、秋岡さんに「こんどはみんなで具体的な企画を考えてみませんか」と提案。だって、現役女子大生から音楽書の企画がでてきたら、それだけで画期的だと思いません? あるいは、学生の企画・編集で音楽雑誌をたちあげちゃうとか。よし、さっそく提案してみよう![木村 元]

◎2006/11/08追記:Ferris MuSe Projectのホームページはこちら↓
 http://fmp.ferris.ac.jp/index.html

◎2006/11/08追記:FMPプロジェクト・ブログができました。こちらです↓
 http://fmp.ferris.ac.jp/fmp/index.php
 ワタシの講義の模様も載ってますが、できれば見ないでほしい……。

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コメント

木村先生、先日はご講演いただきありがとうございました。

 文部科学省助成の本現代GP"若い女性の視点からの音楽コンテンツ創造"
ホームページのブログにも当日の様子をアップいたしました。
ご高覧くださいませ。
 高等教育機関のひとつである大学が社会における存在意義ならびに蓄積
してきた知識を、実社会とどうリンクさせて、より実りある"もの""人材"
等を作り上げるか、本取組でも日々模索しております。
 今後ともご指導ご鞭撻をいただければ幸いです。
 本取組はまだまだ続きます。今後のイベント、是非脚をお運びいただければ幸いです。
 まずは御礼方、ご報告申し上げます。

投稿: Ferris MuSE Project事務担当 よしはら | 2006/11/09 10:21

 先日はこちらこそ、ありがとうございました。

 すみません。「先生」はご勘弁を。

 ブログ、ちょっとみつけられないでいるんですが、そのうちに拝見したいと思っています。

 今後ともどうぞよろしく。当ブログもごひいきに!

投稿: genki | 2006/11/09 11:03

 いま、ブログをみつけました。なんか、恐れおおいというか、恥ずかしいというか、ですが……。

 あらためて、ありがとうございます。

投稿: genki | 2006/11/09 11:08

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