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2008/02/23

[日誌:2008/01/11〜28]打ち合わせの日々

1/8に今年最初のエントリを書いたきり、また間が空いてしまった(白石さんが孤軍奮闘。感謝してます)。この1カ月半ほどのことを駆け足で。まずは1月分。

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◎1/11(金)

打ち合わせの日。この日は3件。自宅を事務所にしているので、打ち合わせはなるたけ固めることにしてるんだけど、そうするとその日だけはなんだか、どこぞのエグゼクティヴみたいな状態になる。ふだんは疲れると散歩したり昼寝したり、こどもと遊んだり(あ、ここだけの話ですが)。

御茶ノ水の穂高で、前の職場の元ボスの水嶋さんから釣谷真弓さんを紹介される。箏曲家で『おもしろ日本音楽史』(東京堂出版)の著者。以前、千葉優子さんの『日本音楽がわかる本』(音楽之友社)を出したとき、その数カ月前に刊行された同書を勝手にライヴァル視していただけに、なんだかへんに緊張。八橋検校にかんする原稿をお預かりする。とても面白そうだ。

◎1/15(火)

打ち合わせの日。この日は4件。打ち合わせがつづくと、1日に何回もコーヒーやら紅茶やらジュースやらを飲むことになる。胃には悪いだろうなあ。最近はコーヒーはほとんど頼まないようにしている。場所代だけで打ち合わせや時間つぶしのできる空間があるといいのだけれど(飲み物は水筒持参で)。

曙橋の太陽印刷へ行ったら、『音盤考現学』の見本を予定よりも2日早く仕上げていてくれた。感謝。下川さんのシックかつ刺激的な装丁がたまりません。発売が楽しみ〜。

作曲家・小鍛冶邦隆さんのウェブ連載をすることになった。昨年末に出た小鍛冶さんの『作曲の技法』(音楽之友社)は、退職まぎわまで抱えていた仕事だっただけに、刊行後すぐに重版したと聞いてホッと安心。小鍛冶さんは東京藝大作曲科をこれからリードしていく「アカデミズムの人」なわけだが、どっこい、どんな在野の作曲家よりもラディカルな思想をもっている。「作曲とはなにか」について、単行本化をみすえての連載を4月から始めていただくことになった。乞うご期待。

◎1/17(木)

朝早くから三田の慶應義塾大学へ。斎藤慶典さん、小林敏明さん、木村敏(ワタシの父)の発表、植村恒一郎さんと入不二基義さんによるコメント、5人のディスカッション、と丸1日かけてのシンポジウム。俗世を離れて、なんだか頭の洗濯をしたような気がする。

「音楽における現在は過去からの積分であり、未来からの微分である」──父のいう音楽的時間は、予定調和的な微積分を「裏切る」契機としての「瞬間」があってこそ、真の音楽的時間となるわけで、「時間=自己」論が「瞬間=他者」論に転じる必要がある。「大文字/小文字」という存在論的差異をあらわすキーワードが、今後どう展開するか楽しみ。

小林さんとは26年ぶりの再会。18のとき、河合塾へ訪ねて、大学受験についてアドヴァイスをいただいたのであった。父との対談による出版のアイディアをいただく。堀朋平さんも来ていて、語らいながら帰宅、多いに刺激をうける。愚見では、これからはきっと音楽美学の時代がくる。若い世代の美学者にがんばってもらいたいものだ。

◎1/19(土)

080119_orfeo神奈川県立音楽堂で濱田芳通さん指揮によるモンテヴェルディ《オルフェオ》。詳しくは白石さんのレポートをぜひ。濱田さんらしく、外連味たっぷり、サービス精神旺盛の《オルフェオ》であった。昨年11月の北とぴあ音楽祭のストイックな舞台とは対照的。休憩中に会った波多野睦美さんも「演奏者があんなにかぶってるのに、ぜんぜん違う」と笑っておられた。

モンテヴェルディは幕によって「様式」を使い分けている。たぶん「プリマ・プラッティカ」「セコンダ・プラッティカ」の違いにかかわる問題がここにある。第3幕、オルフェオが冥界から戻ってからの「エコー」のくだり──ここに鍵があると思うんだが……。去年からこの演目を観るのは3度目だけれども、どうもそのあたりがもやもやしている。そこらへんに、どうやらモンテヴェルディのすごさがあると思うんだけれど。

◎1/21(月)

打ち合わせ3件ののち、夜は国分寺で、小学校時代の親友・八幡くんと音楽之友社の亀田くん夫妻という、ありえない取り合わせで呑む。八幡くんは小学校時代にアメリカの日本人学校に行っていたのだが、そこで亀田くんの奥さんといっしょだったのだとか。縁というのはどこでどうつながるかわからないものである。

話しているといろんなことを思い出すもので、八幡くんと本をつくって遊んでいたことも何十年かぶりに思い出した。たんにお話をつくるってことではなく、ぼくはどうも紙を折って製本したり、表紙をつくったりということに執心していたらしい。三つ子の魂──というよりも、まるで進歩のないことに愕然とした。こどものころに住んでいたマンションで八幡くんに聴かせたビートルズの『Let It Be』(EP)が、彼の人生を狂わせたのだということも、はじめて知った。責任は感じないけどね。

えらく寒い日だったのに、コートの下に着ていたジャケットを飲み屋に忘れて帰宅。

◎1/24(木)

つのだたかしさんの甥、いさおさんの整体室へ。古楽演奏家の駆け込み寺になっているらしい。至福のひととき。

ひさしぶりにカメラータの中野さんとお茶。お願いしていた「カメラータ・コンテンポラリー・アーカイヴズ」シリーズを受けとる。川島素晴さんの解説が楽しみ。こちらからは『クラシックでわかる世界史』『音盤考現学』を。なにか現代音楽関係のコラボができたら、という話でもりあがる。

『音盤考現学』、正式な発売日は明日だが、もう大どころは並んでいるようだ。内容、装丁などは素晴らしい出来。あとは読者にどう届けるか。ここが思案のしどころ。

と思っていたら、第2弾の『クラシックでわかる世界史』も在庫がなくなってきた。3刷決定! 刊行3カ月で3刷まで行くとはなあ。

◎1/26(土)

妻とこどもその1は朝早くからディズニーランドへ。親戚から回ってきた優待券が2枚だけだったので、こどもその2には「お姉ちゃんは1日塾に行ってる」ということにした。義母が静岡から来てくれているので、交代でこどもその2のお相手。楽しく遊んでいたが、とつぜん「お姉ちゃん、受験するの?」といわれて焦る。こどもなりにいろいろと頭をめぐらせているのだ。

◎1/28(月)

打ち合わせの1日。今日は2件だけ。

野平一郎さんと新宿で。小鍛冶さんもそうだが、こういう「音楽の知性」を代表するひととお話しするのは、右脳と左脳がばしばしと交感する音が聞こえるようなひととき。

紀伊國屋新宿本店、ジュンク堂新宿店、タワー新宿店、紀伊國屋新宿南口店を回って、『クラシックでわかる世界史』の3刷の情報と『音盤考現学』の販促。[genki]

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