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2008/03/07

[日誌:2008/03/06]ブモドシの神を讃えよ!

アルテスパブリッシングでは隊長のスズキが営業を担当し、ぼくは総務系を担当してる。日々の書店や取次・卸各社からの注文は基本的に営業部(?)に入り、それを隊長が販売管理ソフト(*)に入力(ここにもMac使いがWindowsソフトを使うにあたっての悲劇的な日常があるんだけど、それは省略)。毎月末に取引先ごとに集計して請求書をつくり、PDFにして総務部にメール送信。それをこちらでまとめて社判を捺し、発送する。というシステマティックなんだか、ムダムダなんだかよくわからないしくみになっている。

* 営業部で使ってる販売管理ソフトは「Final」という書籍流通に特化したソフトで(音楽関係の読者のみなさん、楽譜浄書ソフトの「Finale」ではありませんのでご注意を!)、会社設立して最初に相談にいったトランスビューの工藤さんから紹介された。取次経由の通常ルートから直取引まで、とにかくすべての流通・決済の形態に対応した優れもので、サポート体制もしっかりしている。

昨日もある取次宛の請求書が営業部から送られてきたんだけど、「当月入金高」の欄をみると、口座に入金されていないはずの金額(数千円)が計上されている。おっかしいな~と思って、前に送った請求書をひっくり返してみたけど、いままでにそれらしい金額は請求してない。あきらめて隊長に訊くと、「ああ、それね。歩戻しだよ」──おお、これがウワサには聞いていたアレか!──出版界最大の謎「ブモドシ」がいまワタシの目の前に!

「歩戻し」というのは書籍取次を通して版元が新刊書を委託する場合に、納品高にたいしてある一定の割合(数%)の金額を取次に戻すこと(だと思う)。初回の委託分にたいしてかかり、その後の注文分については、正味分支払ってもらえる。最初はなんとなく新刊委託につきものの返品リスクを回避するための補償金なのかと思っていたけど、じつのところはよくわからない(返品分はまた別に差し引かれるし)。

ナゾなのは、最初から歩戻し分を差し引いた正味を設定するわけではなく、また版元からその金額をバックするわけでもなく、今回の請求書のように「取次から版元に入金があったことにして、版元から取次への最終的な請求額をそのぶん減らす」という方式をとっていること(どの取次もそういう方式なのかはわからない)。どうもここに、日本の書籍流通システムの根幹にかかわる、もっとも深遠な思想が隠されてる気がする(おおげさか)。

出版業界以外にもこういうフクザツな仕組みってあるのだろうか? 前の会社ではフツーのひとだと思って接していた経理課のひとたちが、急にすごい頭脳集団に思えてきた。ザラストロならぬブモドシの神に仕えるシュッパンケイリの国のエリート僧侶たち。単身乗り込んだタミーノははたして試練をくぐりぬけ、かれらの仲間に迎え入れられることができるのか。次回の締め日を待て![genki]

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