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2008/03/14

[日誌:2008/03/14]あんみつとオペラの日

現在、片山杜秀さんの第2弾書籍を校正中。初校ゲラを約半分チェックし終えて、片山さん宅へ発送。発売予定は云わぬが花だけど(笑)、5月の予定。内容は第1弾よりもさらにすごいことになってます。タイトルは『音盤博物誌』。ココロは、前作が片山さんの「考現学的批評」のスタイルを世に知らしめるものだったとすれば、次作は音楽界に棲息するさまざまな生き物の生態を活写する「博物誌」ということ(?)。なにはともあれ、乞うご期待!

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すっかり春めいて、コートを着る必要なしと判断。軽いジャケットはおって、午後から打ち合わせに。

まずは銀座。高野麻衣さんと「SADEU」にて“甘味ミーティング”。あんみつが美味でした!(自称「ブンボーガー」のわたしとしては、隣の雑貨店はチェックしたいところだったが、時間がなくて断念)。ブログ「乙女のクラシック」(クオリティ高し! 愛読してます)がmixiのコミュニティに発展したり、こんど出る『エスクァイア』にも登場されたりと、これから「来そう」ですね、高野さん!

ばびゅんと初台へ。オペラシティ2Fの「面影屋珈琲店」にて、広瀬大介さんと博論出版の打ち合わせ。アルテスでは学術書もしっかり出すのだ。でも、じっさい論文にしておくのがもったいない(失礼!)ほど、「読ませる」内容なので、ぜひ多くのひとに読んでもらえるよう、敷居を下げましょう、という話をする。

そのまま新国立劇場小劇場に移動。東京室内歌劇場のカフカ+フィリップ・グラスのオペラ《流刑地にて》を観る。芸術の意味への自己言及(自家撞着?)をそのままオペラにしたような作品だが、切実にせまってくるものがあって素晴らしかった! 「芸術とは受苦である」という『トーニオ・クレーガー』のようなテーマだが、受苦者たる芸術家は最終的に救済されず、しかし「通りすがりの旅人=現代のアノニマスでお気楽なオーディエンス」はその芸術家の受苦を目の当たりにすることによって、その苦を自分のものとして切実に経験する、というあたりに真実が感じられた。カフカのなかではかなりストレートなテキストなんではないだろうか。中川賢一率いるアンサンブル、そして歌手たちの圧倒的な演奏に拍手。

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帰ったら、『Sound & Recording Magazine』4月号が届いていた。横川理彦さんが『音盤考現学』に興奮してくださっている! 横川さんの本のセレクションのセンスにつねづね敬意をいだいているだけに、すごくうれしい!

ギャラリー日日」のエルマー・ヴァインマイヤーさんからは、角偉三郎氏のぬりもの展(4/3〜8)のお知らせ葉書が。いつもお知らせをいただくが、まだ訪れたことがない。花見ついでに行ってみよう。[genki]

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以前「オトクラ」の周辺で動きがある、という書き方をした。 これは「バロック」の周辺で、と言い換えてもよい。 2009年がヘンデル・イヤーとして盛り上がっていることは何度も書いてるし、ラ・フォル・ジュルネ2009のテーマも「バッハとバロック」。 先日の「エ...... [続きを読む]

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