[日誌:2008/03/23〜25]決算、湯浅譲二、現代音楽ブーム?
アルテスは3月が年度末なので、これからはじめての決算。とはいっても、会計・税務はアウトソーシングしているので、楽させてもらってますが。しかし、もうすぐ設立1周年。長かったような短かったような。出版開始から半年で3冊出せたのは、まあがんばったといえるのではないかと。
これからは量産体制に入る予定なんだけど、体力が追いつくか、少し心配。でも、隊長もぼくも、「明日できることは今日やらない」タイプなので、無理はせず、やっぱりまったりとやってくことになるとは思うけど。
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3/23(日)。毎日新聞読書面のいちばん大きい枠(5段!)で井上章一さんが『音盤考現学』のことを書いてくれた。批評というより、「おもしろいから、だまされたと思って読んでみて!」と熱く語ってくれてるような書評で、ありがたいかぎり。井上さん、『アダルト・ピアノ』(PHP新書)だけじゃなくって、近代日本の音楽にもそうとうに精通されている様子で、いちどお話をしてみたいなあ。
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3/25(火)。川島素晴さん、山根明季子さんの「eX.(エクスドット)」の7回目は湯浅譲二さんの個展。とくに1960、70年代の(その後あまり演奏されていない)実験的な作品を中心に特集。20〜30代の若手実力派演奏家が、30〜40代の湯浅さんの体内に響いていたはずの音に一心に耳をかたむけ、確信をもって音にする。説得力のある演奏だった。とくに中学時代の川島さんがノックアウトされたという《弦楽四重奏のためのプロジェクションI》(辺見康孝、亀井庸州[vn]、甲斐史子[vla]、多井智紀[vc])は、作曲家の「未聴感のある音」を追い求めるひたむきさと、演奏家たちの湯浅譲二という巨大な人物にせまりたいという意欲があいまって、緊張感と詩情の同居した名演となっていたように思う。それにしても、40年前の作品がまったく古く聞こえないし、逆に数年前の作品も昔の作品と同様のテンションを保っているのは、恐るべきことだ。明日(3/27)の「experiment」も行きたいんだけど、ちょっと無理。残念!
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小鍛冶邦隆さんからアルテスのウェブサイト連載用の原稿をいただく。4月に入ったら告知するが、「作曲とはなにか」をバッハから現代の日本にいたる音楽史のなかであとづけ、作曲家や音楽家がどのように生きるべきかまで論じてしまおうという意欲的な計画。「アカデミック・ラディカル」小鍛冶さんの面目躍如たるコラムとなる予定なので、乞うご期待。
昨年末に刊行された『作曲の技法』(音楽之友社)はもうすぐ3刷が出るという。あんなに難しい本が、すごいなあ。音楽之友社からは最近『現代音楽を読み解く88のキーワード』(ボスール著/栗原詩子訳)も出たし、これから現代音楽が脚光をあびるかも!?[genki]
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