« [日誌]八橋校了/伊澤修二/バートルビー | トップページ | 音楽非武装地帯 by onnyk[002]霊界の音楽 »

2008/06/13

團伊玖磨のみずみずしさについて[2008/06/12|津田ホール]

團伊玖磨アーカイヴズ主催「合唱による團伊玖磨メモリアルコンサート」(津田ホール)。辻井喬の詩に作曲された混声合唱のための作品3つ──《海を探しに行こう》(1969)、組曲《木曽路》(1983/朗読、オーボエ、ピアノ)、組曲《長崎街道》(1986/朗読、フルート、ピアノ)──と、アンコールに女声二部合唱のための《夏帽子》《秋の思い》(1999/詩:滝沢政治/ピアノ/初演)。

 + + + + + + + + + +

どの作品も、豊かでみずみずしい。聴いていて、変なはなしだけれど、むかしから團伊玖磨の作品が苦手だったことを思い出した。この豊かさ、みずみずしさ、おおらかさは、ほんとうに作曲家の真実から出ているのだろうか、といつも思ってしまうのだ。ひねくれているのはわかっているのだけれど。人間の真実は、もっと微細でさりげない、くすんだもので、こんなにかがやかしく、大きなスケールの音楽で伝えることはできないのではないのか。

でも、この夜、絶筆となった《夏帽子》と《秋の思い》を聴いていて、このひとは最後の最後まで、そのみずみずしさをつらぬいたのだ、ということがわかって、ぐっと感じるものがあった。こういうスケールの大きなひとも、存在するのだ。そんなこと、早くからわかっているべきだったのだろうけれど、ぼくにはこの夜、やっとわかった。そして、うれしかった。

 + + + + + + + + + +

アンコールのアンコールに演奏された《花の街》。いままで、メロディのシンプルさにたいして、ピアノ伴奏がどうしても“大仰”にきこえてしまっていたのだが──中田喜直なら、あんなに派手な前奏はつくらなかっただろう──気持ちよく聴けた。ああ、これが團伊玖磨なのだ、と。よい演奏会だった。[木村 元]

|

« [日誌]八橋校了/伊澤修二/バートルビー | トップページ | 音楽非武装地帯 by onnyk[002]霊界の音楽 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29830/41516682

この記事へのトラックバック一覧です: 團伊玖磨のみずみずしさについて[2008/06/12|津田ホール]:

« [日誌]八橋校了/伊澤修二/バートルビー | トップページ | 音楽非武装地帯 by onnyk[002]霊界の音楽 »