« 沼野雄司のボストン通信07(2009/03/27・最終回) | トップページ | 音楽非武装地帯 by onnyk[009]虫めづる姫君(その1) »

2009/05/09

ロベルタ・マメリ+つのだたかし[2009/05/08|日本福音ルーテル東京教会]

ラ・フォル・ジュルネでのブクステフーデがすばらしかったと評判のロベルタ・マメリ。2月の公演も聴きのがしていたので、今回はぜひと主催のダウランド アンド カンパニイさんからも強力にすすめられてチケットを購入、期待に胸ふくらませる度合いがいつもの数倍、といったところだったけど、いや、行ってよかった!

16〜17世紀の歌曲ばかりを淡々と歌いつづってゆくプログラム(途中、リュート・ソロもあり)。マメリのうたは、へんな喩えだけれど、樹齢数百年の大樹のなかを、水分がごーっと通りすぎていくような感覚。聴いているほうも、身体のなかのとどこおりがすべて洗いながされていく快感。わずかに低めのピッチのとり方が、大地に根をしっかりと張っているような安定感をかもしだす。教会のヴォリュームのある空間を寸分の隙もなく鳴らしきり、聴衆全員の身体が共鳴する管となる。開演前にダウランドの角田さんから「整体っぽい音楽ですよ」と耳打ちされていたのだが、まさになんとも気持ちのよい1時間半だった。

会場で林田直樹さんとひさしぶりに再会。「お客さんがすばらしいね〜」と感激しておられた。聴衆の心持ち、身体のリラックス度が、音楽の響きに直結するというのがわたしの持論だが、それを再確認したコンサートだった。

[木村 元]

|

« 沼野雄司のボストン通信07(2009/03/27・最終回) | トップページ | 音楽非武装地帯 by onnyk[009]虫めづる姫君(その1) »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ロベルタ・マメリ+つのだたかし[2009/05/08|日本福音ルーテル東京教会]:

« 沼野雄司のボストン通信07(2009/03/27・最終回) | トップページ | 音楽非武装地帯 by onnyk[009]虫めづる姫君(その1) »