ロベルタ・マメリ+つのだたかし[2009/05/08|日本福音ルーテル東京教会]
ラ・フォル・ジュルネでのブクステフーデがすばらしかったと評判のロベルタ・マメリ。2月の公演も聴きのがしていたので、今回はぜひと主催のダウランド アンド カンパニイさんからも強力にすすめられてチケットを購入、期待に胸ふくらませる度合いがいつもの数倍、といったところだったけど、いや、行ってよかった!
16〜17世紀の歌曲ばかりを淡々と歌いつづってゆくプログラム(途中、リュート・ソロもあり)。マメリのうたは、へんな喩えだけれど、樹齢数百年の大樹のなかを、水分がごーっと通りすぎていくような感覚。聴いているほうも、身体のなかのとどこおりがすべて洗いながされていく快感。わずかに低めのピッチのとり方が、大地に根をしっかりと張っているような安定感をかもしだす。教会のヴォリュームのある空間を寸分の隙もなく鳴らしきり、聴衆全員の身体が共鳴する管となる。開演前にダウランドの角田さんから「整体っぽい音楽ですよ」と耳打ちされていたのだが、まさになんとも気持ちのよい1時間半だった。
会場で林田直樹さんとひさしぶりに再会。「お客さんがすばらしいね〜」と感激しておられた。聴衆の心持ち、身体のリラックス度が、音楽の響きに直結するというのがわたしの持論だが、それを再確認したコンサートだった。
[木村 元]
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